●汗臭さは雑菌の影響で発生
汗臭さ、ワキガ臭などの体臭は、酢を上手に活用することで、軽減させることが可能です。鼻にツンとくる体臭は、汗臭さに強烈なアンモニア臭が加わって生じるニオイです。酢には、そのアンモニア臭を抑え、体臭を健康的な、心地よいニオイに変える力があるのです。

発汗に必要なエネルギーは、通常、クエン酸回路というシステムによって作られます。ところが、血液中の酸素が不足したり、食事のバランスがくずれたりすると、クエン酸回路がうまく働かなくなり、酸素を使わない「解糖系」という方法でエネルギーをとらざるを得なくなります。すると、血管や汗腺の中に乳糖が増えて、汗の中に尿素やアンモニアが多量に分泌され、不快な体臭を発するようになるのです。

一方、酢にはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸が豊富に含まれますが、これらは、そのままクエン酸回路が働く原料になります。そのため、毎日適度な酢の摂取を継続すると、エネルギー代謝が円滑になり、アンモニア臭の原因となる乳酸の生成も抑制され、体臭は自然に軽減されるわけです。

また、中高年になると、皮脂腺中の脂肪酸が、過酸化脂質という一種の老化物質によって酸化され、加齢臭とよばれる特有の体臭を発するようになります。酢には過酸化脂質の生成、酸化を抑える作用もあり、こうした加齢臭の軽減にも役立ちます。

摂取する酢は黒酢や醸造酢でもかまいませんが、飲みやすさという点ではリンゴ酢が最適です。毎日朝晩、さかずき1~2杯を、水やジュース、牛乳などで割って飲むようにするとよいでしょう。

さらに、酢の持つ殺菌作用も、体臭の軽減・予防に大きな効果を発揮してくれます。

ワキガを合めた汗臭さは、雑菌の影響を受けて発生します。しかし、その一方で、皮膚は正常細菌叢(粘膜表層部に生息している細菌集団)のバランスによって保護されています。そのため、銀などの強力な殺菌成分を合む制汗・デオドラント剤を長期に使用していると、正常細菌叢のバランスがくずれて悪い雑菌が勢力を増し、かえって体臭が強くなったり、皮膚が痛みやすくなったりします。

その点、酢の場合は、菌をのきなみ叩くというよりは、むしろ正常細菌叢のバランスを崩さない程度に、ニオイの発生源となる菌の活動を持続的に抑えるという制菌作用に優れています。そのため、体にダメージを与えることなく、ニオイの発生を抑えられるのです。

●酢風呂入浴法
そのための最も手軽な方法は、酢(黒酢か醸造酢)を入れた酢風呂に入浴することです。 180リットルの湯に対し、酢をコップ2分の1杯(100ミリリットル)入れて、ゆっくり入浴するとよいでしょう。少ない量なので、酸っぱいニオイはしません。むしろさわやかな香りが風呂場に漂います。

酢に合まれるクエン酸には殺菌作用があって、肌を弱い酸性に保つので雑菌の繁殖を抑え、体臭を予防します。また、クエン酸がお湯から汗腺に吸収されて血行もよくなり、乳酸の生成を抑えるので、乳酸の増加に伴って増えるアンモニア臭を解消することができます。

ぬるめのお湯でゆっくりつかる方が体にはよいのですが、皮膚の角質がふやけて汗の出る孔が閉じてしまい、汗が出にくくなることもあります。その場合には、塩大さじ1から2杯加えて浸透圧を高めると、皮膚のふやけを防ぎ、血行がよくなって寒いときにも大変温まります。ただし塩を入れると、いつもより汗をかくので湯ざめに注意してください。

お酢のニオイは、最後に軽くシャワーを浴びれば消えてしまいます。酢風呂を1週間も続けると、不快な汗のニオイが心地よいニオイに変わっていくでしょう。

●制汗剤と酢湿布を交互に用いるとよい
ワキの下に汗をかきやすい人は、酢風呂に加え、ミョウバン、レモン入りの酢湿布をするのもよい方法です。

湿布液は、リンゴ酢1本(500ミリリットル)に対して、レモン1個分のしぼり汁、焼きミョウバン(薬局やスーパーなどで購入可)1袋(60グラム)、塩一つまみを加えて作ります。材料をすべてビンに入れて、フタをしてから軽く振り、ミョウバンが沈むまで、半日ほど寝かせるとできあがりです。

この酢湿布液を、ガーゼのハンカチなどにたれない程度に十分しみこませ、ワキの下に当てて、腕ではさむようにして5分ほど湿布してください。

酢湿布は夜の入浴後に行い、ガーゼを取ってワキの下が乾燥したら、そのまま休んで、翌朝シャワーを浴びて流しましょう。睡眠中に酢の殺菌・制汗作用、ミョウバンの汗腺閉塞作用、レモンが含むビタミンCの抗酸化作用などが働いて、翌日は、汗もニオイもかなり抑えられるはずです。塩には、酢の作用を増強させる効果があります。

ワキガの人は、これにリンゴのすり下ろしを繊維ごと加えた液(先の分量に対してリンゴ1個分)で湿布すると、より効果的です。ちなみに、酢湿布液は冷蔵庫で保存すれば1~2ヵ月もちますが、リンゴを加えた場合はいたみも早いのて、2週間分を目安に作り、必ず冷蔵保存してください。

また、市販の制汗・デオドラント剤を使わなければ安心できないという人は、ダメージを軽減するため、3日間市販品を使って、翌日は酢湿布にする、1週間市販品を使って、次の1週間は酢湿布にするといった形で併用するとよいでしょう。






このページの先頭へ