体臭を消す方法として、昔から入浴についても工夫がなされてきました。これらは、より強いニオイで悪臭を隠す香水や香などと違い、ニオイの元を根元から絶ち切ろうとする努力でもあったのです。

その代表的な例を、古今東西の入浴法からひろってみます。

〈笹風呂〉
西日本で今でも残る入浴法。畑仕事から帰ってきて笹風呂に入ると、汗のニオイが取れる。これは、笹の中に多く含まれる葉緑素、多糖類などが作用すると考えられます。汗をかきやすい入や水虫、湿疹などができやすい人に向いています。

〈漢方茶風呂〉
中国で古くから行われている入浴法。雲南茶を適当量入れて入浴します。これは中国古茶に多い脂肪分解酵素が作用するもので、脂症タイプの人や肥満の人に勧めたい入浴法です。
また、アトピー傾向のある人は、黄柏・黄連・桂皮・こうぽく しやくやくそうじゆつ もっこう れんぎょう厚朴・勢薬・蒼庄・木香・連競などの生薬を煎じた液をお風呂に入れて入浴すると、アトピーに効果があると同時に、抗菌作用によって汗臭さをとることもできます。

〈オリーブ風呂〉
地中海地方の乾燥地域に伝わる入浴法。オリーブから出る軟らかな脂成分が、乾燥した肌に潤いを与える。乾燥肌の人向けの入浴法です。

〈酵素風呂〉
酵素が体の脂肪分やホコリを分解して清潔感を与えます。また、血液の循環をよくするなどの効果もあります。ストレスの多い人には特にお勧めできます。一般にいわれる森林浴風呂とは、葉緑素の働きに酵素の働きを加味したものです。

〈酢風呂〉
天然醸造酢や黒酢を入れる入浴法で、京都の日本海側を中心に寒さの厳しい地方に残っています。ユズ風呂などもこの一種です。具体的な入浴法については「酢を使った体臭予防」のところで説明します。

〈マコモ風呂〉
マコモは川や沼などに群生するイネ科の植物です。茎に寄生する黒穂菌が体臭のもとになる老廃物やアカを食べてニオイを抑えてくれます。最近では野菜として売られているので皮をそのままお風呂に入れてもよいし、商品化された粉末もあります。
マコモを溶かすとお湯が黒くなるので、気になるようでしたら、マコモを洗原器に溶かして清拭に使ってもよいでしょう。またマコモをお湯に溶かして飲むと、体の新陳代謝が高まり健康増進にもなります。6種類の入浴法を紹介しましたが、それぞれに、汗腺など
にたまった汚れや脂分を浮き出させ、直接的にニオイの元を取り去る点でも優れている入浴法といえます。こうした、いわゆる、“クスリ湯”は、カラスの行水ではなく、全身をゆっくり浸たし、体のすみずみまで洗うことが大切なことは言うまでもありません。



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